須賀 敦子さんの本

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須賀 敦子さんの本

みなさま、こんばんは!
長い梅雨が続きますが、お元気でお過ごしですか??

雨の夜には、お家やカフェでおいしいお茶と一緒に、ゆっくり読書でも。
今日は随筆家・須賀 敦子さんの著書をご紹介したいと思います。
須賀 敦子さんは、随筆家であり、イタリア文学者であり、翻訳家としてもご活躍された方です。
20代から30代をイタリアで過ごされ、1960年代頃のイタリアとイタリア人たちを知り…沢山の素敵な文章を残されました。

私が須賀敦子さんの著書と出会ったのは、ほんの偶然でした。
もともと本が大好きな私は、その日も何気なくふらりと本屋さんに立ち寄り、一冊の本が目に留まりました。
『ミラノ 霧の風景』。白いカバーの、すっきりとした佇まいの本でした。
~記憶の中のミラノには、いまもあの霧が静かに流れている~…その一文ですっかり魅了され、大切に大切に読み進めました。

彼女の文章はすっきりと端正で、静かなあたたかさに満ちており、その行間すら美しいと思えるほどでした。
そこに描かれているのは、彼女が関わったごく普通のイタリア人たちの生活、喜び、悲しみ、彼女が見た普通のイタリアの日常。
何でもない日常や人の人生は、どんな映画よりもドラマチックで、愛おしい。
本当に、すてきな文章なのです。

明るく陽気だと言われるイタリア人たちの素顔を少し覗き見たような、彼らの心の一片を見てしまったような、イタリアの街の懐を感じるような、そんな気持ちになります。

 

彼女の著書『トリエステの坂道』と、ウンベルト・サバの詩の翻訳を読んでから、私はずっとトリエステに憧れを抱いていました。
とあるオペラのオーディションでトリエステを訪れた際、必ず行こうと決めていたウンベルト・サバの古書店へ実際に足を運んだ時にはとても嬉しく、本の中に描かれている世界に触れられたような気がしました。
古書店の店主と常連客のシニョーラは、私にトリエステの歴史を語って聞かせてくれ、『日本語はまるで分からないけれど、ウンベルト・サバの詩が日本語に訳されているのを是非聞きたい』という二人のリクエストに、私は須賀敦子さんの訳詩を朗読しました。出会ったばかりなのに何時間もおしゃべりをし、カッフェや夕食までご馳走してくれ…須賀 敦子さんの本に導かれた、素敵な出会い、忘れられない思い出です。

 

『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『トリエステの坂道』『ヴェネツィアの宿』…

静かにしみじみと、しっかりと心に染み入る作品ばかりです。
こんな雨の中でもせわしない東京の毎日。すてきな本と一緒に少しだけ、静かな時間を過ごしてみませんか?